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生命保険に入ると相続対策になりますか?

  • 文責:税理士 田頭博文
  • 最終更新日:2026年2月25日

1 節税対策として検討する前に押さえておくべきこと

結論から申し述べると、生命保険は、相続対策になります。

ただ、その前に述べておかなければならないこと2点あります。

まず、第一に言えることは、生命保険金の受け取りは、法的には、直接に、保険会社から受取人に支払われるものです。

よって、相続税は課されないのではないかと思われますが、生命保険金は、「みなし相続財産」として、相続税の課税対象となる場合があるということです。

そして、次に、生命保険金が相続税の課税対象になってくるのは、契約者(「保険料負担者」という。以下に同じ。)が父や母である被相続人で、被保険者が同じく父や母である被相続人、受取人が子などの相続人である場合です。

この点について、例えば、契約者が子である相続人、被保険者が父や母である被相続人、受取人が子である場合、この場合は、所得税の課税対象となってきます。

また、契約者が母、被保険者が父、受取人が子であった場合、この場合、父がなくなった場合の相続人である子の受け取りは、贈与税の課税対象になってきます。

よって、生命保険金に相続税が課されるのは、契約者(保険料負担者)と被保険者が同一の場合です。言い換えれば、自分自身にかけた保険の保険料を自分で支払っている場合のみということになります。

2 非課税限度額としての節税対策と具体例

以上の前提を押さえたうえで、生命保険金には、非課税限度額が定められており、非課税限度額分の死亡保険金については、相続税が課されません。

よって、この部分が相続税の節税対策になります。

これは、次の計算式により、求められます。

500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額

 

例えば、法定相続人が3人の場合、1500万円(500万円 × 3人)までが非課税となります。

したがって、この説例で、相続財産が、生命保険金1500万円のみであった場合には、生命保険金全額に、相続税はかかりません。

他方で、この説例で、相続財産が、生命保険金2000万円、預貯金2000万円、合計4000万円であった場合、この場合も、生命保険金に相続税はかかりません。

まず、生命保険が非課税限度額である1500万円を超えた500万円分、この部分は、相続税の計算対象になってきます。

しかし、相続税には、基礎控除(3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)がありますので、これを考慮すると相続税は、かかりません。

この場合の計算式は、次の通りです。

課税予定の生命保険金額 + その他の相続財産額(預貯金、株式、土地・建物) - 基礎控除額(3000万円 + (600万円 × 法定相続人の数) = 課税対象金額

上の例に当てはめると、

500万円 + 2000万円 - (3000万円 + (600万円 × 3) = - 2300万円

となり、課税対象金額は、基礎控除額の範囲内なので、相続税はかかりません。

3 生命保険による節税対策は税理士にご相談ください

以上に見たように、生命保険金は、相続税の節税対策になりますので、預貯金を一時払いの終身生命保険に変えるだけで相続税対策になります。

また、生命保険金は受取人の固有の財産と見なされるため、遺産分割協議の対象になりませんから、相続人間のトラブルを防ぐことができます。

さらに、相続財産が大きく相続税の支払いの必要がある場合にも、現金化が容易ですので、相続税の支払い原資として活用することも可能です。

もっとも、生命保険の種類や契約内容によっては、相続税対策としての効果が異なる場合や、所得税・贈与税の対象となる場合もあります。

よって、詳細については、税理士にご相談いただくことをおすすめします。

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